展示

クリス・ベーレンスNENSHA /『念写』展

2014年3月14日 - 2014年6月22日

Chris  Berens Web

『念写』の企画のため、ベーレンスは日本の説話を研究し、日本を旅しました。絵画創作のためにマジカルで、神聖で、ミステリアスな場所を探すためです。帰国し、アムステルダムのアトリエに戻ると、ベーレンスはその印象やアイデアの表現につとめました。

Dreary Afternoon
Shoji Room

クリス・ベーレンスは、ギョロ目の人物や毛深い動物、また、珍しい生き物を多用し、夢の世界を描きます。そのため、作品は一見、かわいく写りますが、長く見ていると、緊張感が生まれ、身近に迫る惨事さえ、感じ取るようになります。

ベーレンスは、印画紙にインクで描き、そこから紙の層をめくり取り、プラスティックの層だけを残します。このようにして層をめくっては、重ねることで、かすかな奥行きを生み出します。画風に関しては、ベーレンスはオランダ絵画の巨匠と日本の漫画の間に位置すると言われます。

AVROテレビ局は、『念写』に向かうベーレンスを一年間に渡って追いかけ、ドキュメンタリー番組を制作しました。本展覧会では、この『クリス・ベーレンス:マジカル・ユニバースの巨匠』もあわせて、ご覧いただけます(日本語字幕あり)。

『関守石(現代版)』

また、シーボルトハウスの中庭では、日本の伝統を21世紀版に表現した『関守石(現代版)』展が、ご覧いただけます。20人を超えるヨーロッパの現代芸術家が、関守石の象徴性の表現に挑みました。
関守石とは、出入りの遠慮を請う印で、縄を十字に結んだ小石のことを言います。シーボルトハウスの中庭では、どうぞ出入りを遠慮することなしに、関守石をそれぞれ特別な彫刻品として、ご堪能ください。