展示

食べるニッポン・飲むニッポン

2013年9月6日 - 2013年11月17日

20015922  Lk Maiko

写真家レオ・ファン・デル・クレイは 1997年から2011年にかかけて、12回、来日している。滞在期間は短くて二週間、長いときは七週間、造形作家川俣正のところで仕事をしたこともあれば、独自の写真シリーズを製作、西日本テレビのドキュメンタリー番組に撮影協力をしたこともある。また、<アーティスト・イン・レジデンス>として、東京と大津に滞在している。こうして日本で仕事を重ねるうちに、ファン・デル・クレイは日本人と親しくなっていった。そして、日本人の日常を撮影するようになった。日本人の日常を撮影したシリーズは、昨夏から、www.japanphotography.orgで公開、今回の『食べるニッポン・飲むニッポン』展は、このシリーズをもとに企画されたものである。 

『食べるニッポン・飲むニッポン』は、 日本人の最大の関心事<食>をテーマにして、日本人の生活を紹介する展覧会だ。およそ500枚のカラーと白黒写真で構成してある。 

深夜の築地市場、朝食風景、買い物、お茶の時間、昼食、ファーストフード、茶道、結婚式の宴会、間食、仕事の後の飲み会、宴会、居酒屋風景、食堂、ナイトライフ、花見の飲み会など、 生産者を撮らず、消費者だけを媒体にして、日本人の飲食を映し出した。

写真はすべてファン・デル・クレイが1997年4月から2011年9月の間に撮影したもので、報道写真のスタイルを特徴とする。アングル、コントラスト、シャッタースピードの微妙な調整で、どれも表現豊かな写真となっている 。

ファン・デル・クレイのカメラがとらえた光景は、日常的なもので、日本人の生活を隠すことなく表現する。被写体は、写真家の存在を気にするでもなく、普段の通りに振る舞い、ファン・デル・クレイは、その日常の一部になっている。

このシリーズの見所は、<食>というテーマを通して見える日本の伝統とモダンの融合、また、レンズ越しに見え隠れする一瞬の個の表現だ。

 レオ・ファン・デル・クレイ(1954年生まれ)は、1983年から写真家・造形作家として活動。報道写真を得意とする(『日本と旧炭鉱地帯』など)。また、一つのテーマを時間と空間に広げ、数年間かけて撮影することを好む。

ヨーロッパや日本で個展を数多く開催。現在は、ドイツとオランダで生活。
(詳細:www.leovanderkleij.com