展示

月光・神秘・美:月岡芳年の世界展

2011年12月9日 - 2012年3月18日

Yoshitoshi Triptiek Goed

芳年の逸品がラスベガスからライデンに

「最後の浮世絵師」と呼ばれる幕末の絵師、月岡芳年(1839-1892)の世界展を2011年12月9日からシーボルトハウスにて開催いたします。

これはヨーロッパでは20年ぶりの芳年展で、今回の展覧会はラスベガスのエド・フレイスコレクションの130点から構成され、シーボルトハウスを皮切りに世界を巡回します。

芳年はオランダの収集家が好む浮世絵師で、月を配した作品は心にしみるものがあり、詩的でさえある、と知られています。しかし、それだけでないのが、月岡芳年という浮世絵師の魅力で、彼は34年に及ぶキャリア の中で、歴史上の合戦、怪談、歌舞伎役者や遊女など、現実に根ざした作品も数多く残しています。今回、これらが一同、シーボルトハウスでご覧いただけます。

歌川国芳(1797−1861)門下の芳年は、師匠に倣い、画面中侍を配した合戦図などを得意としました。しかし1882年頃、自身の浮世絵師としての名声 が確立すると、大胆なラインと鮮やかな色使いで、独自のスタイルを展開して行きます。三枚物(三枚揃物)をもっとも好み、ダークな色使いでまとめられた、大 きな版画にはじつに存在感があります。
晩年になると、生産性はますます高まり、32枚からなる美人画シリーズ、36枚からなる怪談シリーズ、さらには100枚からなる『月百姿』シリーズを制作しました。またこの時期、縦上下と続く二枚物を数点制作していますが、これは浮世絵の判としてはとても珍しいといえます。絵師としての絶頂期にいた芳年ですが、脳出血をおこし、53歳で亡くなっています。
芳年は総数で2300余点の作品を世に送り出しました。

芳年はしばしマンガやアニメと比較されます。彼の作品の画題が、いまでもマンガや映画のテーマに使われるからでしょう。この意味でも、芳年の作品はマンガやアニメファンにも楽しんでいただけるでしょう。どうぞシーボルトハウスの芳年の世界点をお見逃しなく!
 
展覧会は、2012年1月23日の作品入れ替えを境に、二部構成となっています。
第一部:2011年12月9日〜2012年1月22日
第二部:2012年1月24日〜2012年3月18日